第6章 使命感を育むためのヒント② 一番伝えたい人を想像する

6-1・被災地の方々を勇気づけたい。すべてはそこから始まった



第6章では、「一番伝えたい人を想像する」ための方法について見ていきます。

前章で「本当に伝えたいことを書き出す」方法について触れ、その中で、「読者に迎合するのではなく、自分の本当に伝えたい意見を言う」と書きました。

一方、今回は、「一番伝えたい人を想像する」ということで、これらは一見矛盾しているようにも見えますよね。

両者の違いは、「より多くの人に届けられるテーマを選ぶ」のか、「一人でもいいので本当に伝えたいテーマを選ぶ」のか、というところにあります。

当然、両方とも満たしているのなら、それがベストだとは思います。

でも、はじめから事はそううまく運びません。

まずは、自分の伝えたい事と、どうしても伝えたい人を決める。

そして、その人に伝え切ることだけに集中するようにしてみましょう。


私が4年前、メルマガ発行を始めたときのことをご紹介します。

東日本大震災から約3ヶ月。
宮城県石巻市の、目を背けたくなる惨状で出会った一人の女性との出会いから、「3.11を忘れない」という大テーマでメルマガを始めることを決めました。

親族や知人友人など身近な方々に次々と声をかけ、一人ひとり読者になっていただきました。

そんな私の脳裏には、いつもあの女性の姿がありました。

「ここで聞いたこと、見たことを首都圏の方々に伝えます」。

その女性との約束を思い出し、メルマガを書き続けました。

その方は実際の読者ではありませんが、常にその女性のことを思い出しながら、私は小テーマを設定し、メルマガを書いています。

時に、日常感じたこと、家族のこと、知人友人のことを小テーマに設定しながらも、軸には「これからも忘れずにいます」というあの女性へのメッセージを置き、今日もメルマガを書いています。

もちろん、私のようにある方を想定しながら書くのではなく、実際の読者の方を念頭において書くのもありだと思いますし、ベースとなる一人とは別に、記事ごとに想定読者を変えていくのも方法の一つです。

では次節からは、具体的に、その「一人」を特定していく方法についてみていきます。

◆使命感を育むための質問9◆
「今のあなたにとって、どうしても伝えたい『一人』は誰ですか?」